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■悲劇的な雰囲気の演出に使える“下降クリシェ”
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下降クリシェ。実はこれ、音楽で使われる表現方法の1つです。
ギターでもピアノでも、メロディラインを奏でる「トップ」と、音楽に厚みを加える「ベース」の2つが存在しますが、下降クリシェはベースの演奏の際に、1小節や半小節などごとに、音を半音ずつ下げていく手法のことです。
下降クリシェを使った有名な曲としては、ビートルズの「ミッシェル」のイントロ、レッド・ツェッペリンの「天国への階段」のイントロなどがあります。
では、半音ずつ下げるとどんな効果があるのか。それは「悲劇的な雰囲気」の演出に使うことができることです。これは文章にも使うことができます。
下降クリシェを文章で応用する場合、どうしたらいいのでしょうか? さまざま表現が可能だと思いますが、何かを失ったり、何かができなくなったり、不利な状況が増えたり、いずれにせよマイナスなものが少しずつ増えていく感じが表現できれば、“文章の下降クリシェ”は成功したといえます。
たとえば以前、新聞にプロ野球の黎明期を支えた沢村栄治の記事が載っていましたが、それはまさに下降クリシェ的なこんな文章でした。
「彼は戦場で手榴弾を投げ、肩を痛めてスピードを失った。~度重なる遠征でボロボロの身体となりコントロールを失った。~成績を残せなくなりチームから解雇された。そして1944年、乗船していた船が撃沈され命を失った──」
失ったものを一度に表現するのではなく、失っていったことを1つ1つ順番に記していくこと(半音下げていくこと)で、悲劇的な状況が迫るように表現できるわけです。できれば、ある程度一定の間隔で失ったことを表現していくと「リズム」が生まれ、より効果が高くなります。
ドキュメンタリー、ノンフィクションなどに使われる表現方法ですが、覚えていて損はないかと思います。
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