編集プロダクション　今日の現場から　物語社

Home

＞

今日の現場から＞Vol.3＞雪は確かに白かったじゃないか



		小学３年生の次男とお風呂に入っていたらこう訊かれました。　「太陽って最後は爆発して、地球もなくなっちゃんだよね」　同じような質問を長男からも受けたことがあります。　そのたびに「心配しなくて大丈夫。生きている間に地球がなくなることはないから。何十億年っていうず?と先のことだから」などと言うのですが、子どもたちの顔にはおびえのような表情が残っています。その気持ちは痛いほどわかります。　自分が死んでしまうのは仕方がありません。でも、あとの世代が残ると思うから人は頑張れるものだし、何かを遺そうと思うものです。でも、結局最後は人類すべてが死んでしまい「無」になってしまうのなら、一体人間はなんのために生きているのか。それはおそらく誰もが一度は考えることだと思いますが、そんなときふと思うのはある作家が紹介していた言葉です。　　「雪が解けて水になるのは仕方がない。でも、雪は確かに白かったじゃないか。あの白はどこに行ったのか」　シェイクスピアの言葉だそうです。　結局人間は「白」を見つめていくしかないんじゃないか、というシェイクスピアのメッセージがそこに込められていると思うのですが、同感です。　でも、それをどう子どもに伝えろというのか。　「白を見つめて生きろ！」なんて言ってもなぁ。　いずれにせよ、私も「白」を見つめて生きていきたいと思っています。